快慶作?知恩寺で木造阿弥陀如来立像を発見
鎌倉彫刻を代表する仏師、快慶の作とみられる木造阿弥陀如来立像が、京都市左京区の知恩寺で見つかり、16日、浄土宗宗務庁(同市東山区)が発表した。袈裟(けさ)のひだなどの表現方法が過去に確認されている快慶作の仏像と酷似。同庁は「快慶の作風の変遷を垣間見られる資料」としている。
調査した土井通弘・就実大学教授らによると、見つかったのはヒノキ材で作られた高さ98.9センチの三尺阿弥陀如来像。腹部に7本ある袈裟のひだが特徴的で、脇部分のササの葉のような形の彫刻が、同市北区の遣迎(けんごう)院が所蔵する快慶作の阿弥陀如来立像に酷似していた。
頭部から首にかけての内部の空洞に、幅約3センチ、長さ約23センチの紙か薄い板が収められているのをX線撮影で確認。造立時の発願文などの可能性が高いという。
快慶は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した慶派の仏師。繊細で写実的な表現に優れ、東大寺の地蔵菩薩立像など約40体が快慶作と確認されている。
このうち10数体は今回とほぼ同じ像高の三尺阿弥陀如来像。初期は立体のボリュームを見せ、次第に袈裟のひだを多く取り入れるなど線を強調する作風へと変遷したが、今回は胸板が厚いなど比較的体格が良く、土井教授は「三尺阿弥陀如来像の中では初期の作品」としている。
同像は知恩寺の御影堂の脇段にまつられており、同庁が図録作成のために広く実施していた宝物調査で分かった。
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