Wednesday, November 14, 2007

<山田洋行>社長、元専務の独断強調…参考人質疑

「資料が手元にない」「存じあげない」。参院外交防衛委員会の15日の参考人質疑。防衛専門商社「山田洋行」の疑惑の実態を知る「キーマン」として公の場に姿を現した米津佳彦社長(60)だったが、詳細は語らなかった。守屋武昌前防衛事務次官(63)への接待や裏金作りは元専務、宮崎元伸容疑者(69)の「独断」と強調。防衛省幹部らへの贈答品攻勢は「取引の円滑化のため」と述べ、委員から失笑が漏れた。

 午前9時半、ダークグレーのスーツに同系色のネクタイ姿で現れた米津氏は何度も周囲におじきをした後、答弁席に着席。北沢俊美委員長から社会的責任を問われ、「取引先をはじめ、皆様の信頼を裏切る結果になったことと世間をお騒がせしたことについて大変申し訳なく心よりおわびしたい」と謝罪した。

 守屋氏へのゴルフ接待の回数や金額は詳述したものの「元専務がご自分の考えでやったこと」。裏金作りも「まったく存じあげない」「宮崎元専務と側近の方だけでやった」と組織的関与を否定した。

 米津氏は96年4月~02年4月、管理部長を務め、上司は元専務だった。米津氏が送付先リストを作り、元専務がチェックして行われたとされる贈答品攻勢。しかし、米津氏は「贈答するためのリストではなく、取引先のお客様の表」とし、牛肉やカニ、サンマなどを一斉に送りつけたのは「相手を選ぶのは(自分ではなく)営業。(目的は)世間一般に通用する範囲内」と弁明。「自衛隊員倫理規程(00年施行)以後は一切ない」と答えた。

 その後、焦点の一つである02年の過大請求や政治家との関係をただされても「(捜査で)資料が手元にないので分からない」「記憶が定かでない」と繰り返し、委員から「あんた社長でしょ」と野次が飛んだ。

    ◇

 米津氏は昨年7月、社長に就任。その2カ月後に、宮崎元専務がライバル社「日本ミライズ」を設立した。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の販売代理権を巡る激しい競争が起き、山田洋行側はこの間、東京地検特捜部に情報を提供。今月8日、刑事事件に発展した。

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